- タオルの豆知識
タオルはどう作られる?使い心地を左右する製造工程を解説
2026/06/24
目次
普段何気なく使っているタオルの、ふんわりとした肌ざわりや水をすっと吸う心地よさ。
こうした使い心地には、綿の素材だけでなく、糸の準備や織り方、洗いの工程も深く関わっています。
タオルの作り方には、糸の段階で晒しや染色を行ってから織る方法や、織り上げた後に生地を洗い晒す「後晒し製法」などがあります。なかでも泉州タオルは、織り上げた後に糊や不純物を洗い落とす後晒し製法が特徴です。
この記事では、泉州タオルにも用いられる後晒し製法を中心に、タオルの基本的な製造工程と、使い心地の良さが生まれる理由をわかりやすく解説します。
タオルの使い心地は「製造工程」で変わる
タオルを選ぶとき、デザインや価格、サイズ感を重視する人は多いはずです。もちろん、毎日使うものだからこそ、見た目や使いやすさをチェックすることは欠かせません。
しかし、タオルの使い心地は、素材だけで決まるわけではありません。

ふんわりした肌ざわりや優れた吸水性は、糸の準備や織り方、洗浄、乾燥といった工程の積み重ねから生まれています。たとえば、織り方によってやわらかさやボリューム感が変わり、洗浄工程によって吸水性や清潔感にも差が出ます。
タオルがどのように作られているかを知ると、「なぜこのタオルは気持ちいいのか」が見えてきます。
基本的なタオルの製造工程
タオルは、糸の準備から織り、洗い、仕上げまで、いくつもの工程を経て作られています。
細かな作り方はメーカーによって異なりますが、ここでは基本的な流れをご紹介します。
- Step.1 糸の準備(整経・糊付け)
- Step.2 織機の準備(経通し)
- Step.3 製織
- Step.4 後晒し(あとざらし)
- Step.5 染色
- Step.6 乾燥
- Step.7 各種加工
- Step.8 裁断・仕上げ縫製
- Step.9 検品・梱包・出荷
Step.1 糸の準備(整経・糊付け)

糸の準備作業は「整経」と呼ばれます。整経では、経糸(たていと)やパイル糸を「ビーム」と呼ばれる円筒状の装置に巻き取ることで、タオルを織るための準備を整えます。
タオル製造では種類ごとに複数の糸を使うため、その糸ごとにビームを準備することが一般的です。具体的な種類としては、例えばタオルのベースとなる「グランド糸」や、表面のふわふわ感を作る「パイル糸」などが挙げられます。
整経の工程では、糸の強度や安定性を高めるために糊付け(サイジング)も行います。糊付けによって糸同士や機械との摩擦を減らすことで、途中で糸が切れるのを防ぎ、タオルの耐久性や肌ざわりの均一さにもつながります。
Step.2 織機の準備(経通し)

糸の準備が終わったら、織機に糸をセットします。タオルのサイズやデザインなどに合わせ、準備した糸を織機に1本ずつ通していく作業であり、経通し(たてどおし)と呼ばれます。
同じ種類の糸を継続して使う場合、古いビームの糸と新しいビームの糸を機械でつなぎ合わせ、効率よく製織を進めるのが一般的です。
この経通しの際に糸を正確にセットすることで、織り上がりのムラを防ぎ、理想通りのサイズやデザインの美しいタオル生地を生産できます。
Step.3 製織

いよいよタオル生地を織り上げる工程です。織機を高速で動かし、糸を交差させて織り上げます。
パイルの高さや密度、織りの安定性によって、タオルのボリューム感や肌ざわり、耐久性が左右されます。パイルを長くすればふんわり感が増し、密度を高めればしっかりした拭き心地に仕上がります。一方で、織りのバランスが悪いと、毛羽落ちや型崩れの原因になることもあります。
また、タオルの縦方向の端にあたる「ミミ」は、生地のほつれを防ぎ耐久性を高めるための重要な部分です。ミミの仕上げを行うタイミングは産地や製法によって異なり、製織後すぐに行う場合もあれば、染色などの工程を経てから行う場合もあります。
織り方ひとつで、タオルの肌ざわりやボリューム感、耐久性は大きく変わります。タオルらしいふんわり感を生み出す、重要な工程です。
Step.4 後晒し(あとざらし)

織り上がったタオル生地を洗浄・漂白する工程です。主に泉州タオルを製造する際に使われており、「後晒し製法」と呼ばれます。
製織後に生地を洗浄し、糸に付着している糊や綿本来の油分、不純物などをしっかり洗い流すことで、新品のタオルを購入した日から抜群の吸水性を発揮します。
また、タオルに不純物が残らず肌にやさしい清潔な状態に仕上がるため、敏感肌の人や赤ちゃんにも安心して使えます。
Step.5 染色

洗浄と漂白を終えたら、用途やデザインに合わせて生地を染め上げます。後晒しで不純物を落とした後に染色しているため、染料が繊維の奥までしっかり浸透します。そのため、色ムラが少なく、美しく鮮やかな色合いに仕上がります。
また、繊維の奥まで染色しているため、摩擦による色落ちを防いで、鮮やかな色合いやデザインを長持ちさせられる点も魅力です。
Step.6 乾燥

染色が終わった後は、濡れたタオル生地をしっかりと乾かします。繊維の状態やねじれを整えながら乾燥させることで、生地に空気が含まれてパイルが立ち上がり、ふんわりした風合いに仕上がります。
Step.7 各種加工

タオル生地を乾燥させたら、デザインや用途に合わせて加工します。例えば、以下のような加工を行います。
・プリント加工で絵や文字などの柄を入れる
・ブランドタグの取り付けや特殊な仕上げ加工を行う
・贈り物用に名入れ刺繍を施す
こうした加工を丁寧に施すことで、購入者の用途に合った美しいデザインや機能性を持つタオルに仕上げられます。
なお、加工内容によっては、次にご紹介する裁断・仕上げ縫製の後に行われる場合もあります。工程の順番は製品仕様によって前後することがあります。
Step.8 裁断・仕上げ縫製

長く繋がった状態で織り上げられた生地を、バスタオルやフェイスタオルなどの規定サイズに切り分ける「裁断」を行い、一枚のタオルの形へと整えます。
次に、タオルの横方向の端「ヘム」を、職人の手や専用の機械でしっかり縫い上げます。タオルの端を丁寧にミシンで縫製することで、使用中のほつれを防ぎ、長持ちさせることができます。
また、タオルの端が美しく処理されていれば、見た目にも清潔感を与えられます。とくに贈り物として購入する場合は、こうした細かな部分まで丁寧に作られたタオルが喜ばれるでしょう。
Step.9 検品・梱包・出荷

すべての工程が終わったら、検品を行い、その後出荷作業へ進みます。以下のような点を厳しくチェックするのが一般的です。
・糸がほつれていないか
・汚れが付着していないか
・色にムラがないか
・サイズにばらつきがないか
・パイルの抜け落ちはないか
・縫製は真っ直ぐで美しいか
入念な確認を行った後、汚れや型崩れを防ぐために丁寧に梱包され、お客様の元へ出荷されます。
たくさんの工程から生まれる使い心地を、長く楽しむために
このようにタオルの製造工程では、糸の準備から製織、洗浄、乾燥、縫製まで、それぞれの工程に使い心地を高める工夫が施されています。
吸水性や肌ざわり、ふんわり感、耐久性といった品質は、素材だけでなく、どのような工程を経て作られているかによっても大きく変わります。

こうした多くの工程を経てお客様のもとへ届くタオルを、ぜひ長く、心地よく使っていただけたらうれしいです。 新品のタオルをおろす際のポイントや、ふわふわを長持ちさせる洗濯のコツについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
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紹介した商品
執筆・監修
奥 英明
ヒオリエ 商品部 部長 タオルソムリエ
タオル製造業界で25年以上にわたり、商品企画および品質管理に従事。タオルの製造にも精通し、これまで数多くの製品開発を手がけてきた。「タオルソムリエ」の資格を持つタオルのプロフェッショナルとして、専門的な視点から日常に寄り添うタオルの選び方やケア方法を分かりやすく解説している。
















